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日中台関係

2005年12月2日作成 中台関係から日本の立場を考える

これはあくまで講義中で作成したレポートなので、今後状況変化が予想されても変更はしません。


(ア) 台湾問題とは?
日本は、自由主義経済である台湾とのつながりが深いが、近年中国との結びつきが強まる中で、中国が「1つの中国」を主張し、日本に台湾政府を認めないよう求めている。日本は依然として台湾と経済、文化などの交流が強く、中国と台湾の間で難しい舵取りを迫られている。

(イ) 今後起こりうる事態
1. 中国の民主化
2. 台湾の独立
3. 台湾と中国の統一
4. 台中戦争

◆ 中国民主化の可能性
 一般的に豊かさが実現されると、経済の自由化だけではなく、政治の民主化が求められる。経験則では、一人当たりのGDPが2000ドルを突破しないと政治の民主化は定着しないと言われている。しかし、一旦、2000ドルを突破するとどのような政治体制であれ、政治は民主化に向かって行く。中国では、 2010年に1人当たりのGDPが2000ドル以上となり、2010年が一つの転換点になる可能性が高い。(http://www.geocities.jp/mstcj182/ITEM-3A44.html)

 オリンピック、万博が終わり国民的な目標が達成され、経済の自由度も高まれば民主化が一気に進むと見られる。中国人の中にも、民主化は避けられないと見て、今後いかに漸進的な民主化でソフトランディングするかを考えている者もいると聞く。そして、社会主義と市場経済の組み合わせがそう長く続くとは考えられない。社会主義にもかかわらず、貧富の差などの歪が大きく、なかなか解消できないからだ。よって2010年頃から中国の民主化が始まる可能性が高い。

◆ 台湾独立、及び台中統一の可能性
 李登輝前総統は「台湾独立の最終のデッドラインは2008年だ」と繰り返し強調している。2008年には北京オリンピックが開かれる予定で、その前に台湾が独立を宣言しても、世界各国からの五輪参加ボイコットを恐れ、中国政府は台湾への武力侵攻はできにくいということである。さらに、彼が声を大にして言っているのは、台湾と中国の経済的、外交的、軍事的力量で差が広がり、2008年以降は台湾の中国への経済依存がかなり進み、台湾の独立は事実上、不可能になってしまうということだ。(SAPIO,小学館,2004/3/24,8p ウィリー・ラム)

そこで2008年までの台湾の動きについて。

台湾の人々の多くは、中国との統一には反対だが、同時に、中国とは別の国になる「台湾独立」の動きに対しても、中国からの武力攻撃を招きかねない危険な方向性であると考えている。民進党は以前は台湾独立を方針として掲げていたが、1995年と98年の立法院選挙で国民党に負けた後、国民に敬遠される台湾独立の方針を大きく掲げることをやめた。その表向きの理由は「台湾はもはや事実上独立しているので、改めて独立を希求する必要はない」というものだった。(http://tanakanews.com/e1227taiwan.htm)

「将来の台湾のあり方に関する調査」 
▽現状維持の後に決定 35・2%
▽永遠に現状維持   19・3%
▽現状維持の後に統一 19・0%
▽ただちに独立     5・8%
▽ただちに統一     2・4% 

2000年 2月:台湾の将来に関する調査結果
行政院大陸委員会が他の調査機関に委託し、台湾全土の二十歳以上六十九歳以下の成人を対象に電話質問形式により実施 、誤差は±3%
(http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/1964/107.html)


最近また政治の側では独立志向が強くなっているが、台湾は民主主義を掲げているがゆえに、「中国とは敵対できない」という台湾国民の意見を汲み取らねばならず、その結果独立できないというジレンマに陥っている。中国の併合手法の軟化や台湾人と政治の現実路線が強まれば、”統一“の可能性もあるが、台湾人は現状維持志向が強く、”中台統一”は次善の策だと考えており、“独立“も中国重視の国際関係の中で孤立してしまうので、今の状態が続く可能性が高い。

◆ 中台戦争について
 2008年に北京オリンピック、2010年に上海万博があり、それまでは世界各国の反応を気にして戦争に踏み切る可能性は小さく、さらに2010年以降は民主化が始まり無理矢理戦争に突き進む可能性も小さいと見る。したがって、どの道中台戦争の可能性は小さい。

◆ 3つの虚構
「1つの中国」という虚構、つまり情報技術で先端を走る台湾の経済実力や民主化達成を無視した中国の対応は、(経済のグローバル化の中で比重を増す)国際規範に合わなくなり始めている。同時に、(「台湾は国家ではない」という「虚構」が次第に崩壊し始める一方で、)「台湾独立」という「虚構」もまた、両岸経済の相互依存関係が深まる中で崩壊しつつある。台湾の政治、経済上の生存は、中国大陸の存在抜きには意味を持たないからである。しかし、もっとも溶解しにくい第3の虚構は「台湾海峡の緊張」である。ブッシュ政権が中国の軍事的脅威を理由に大量の先進兵器を台湾に供与するのは、米軍需産業の利益のためである。同時に、中国が台湾独立阻止を名目に、武力威嚇を繰り返すのも、揺らぐ共産党指導を維持するため、軍など強硬派のガス抜きの意味がある。(熱戦を伴わない)適度な緊張こそ、「中国共産党の指導の維持」という最優先課題にとっての”必要悪”ですらあるのだ。
巨大な中国大陸に、経済的に飲み込まれかねない恐怖感を抱く台湾にとっても、軍事的緊張は台湾海峡の防衛に向けた日米軍事同盟の盾を保証する。(岡田充、中国と台湾:対立と共存の両岸関係、2003 講談社)(要約)

つまり、現状維持こそ日中台の利益となっている。

◆ まとめ
日本は中国の民主化を、適度に距離を保ちながら後押しすれば、よい関係が築けそう。
しかし、万一中国が社会主義のまま統一した場合、地政学的観点から長期的に見ると、日本にとってこれは致命的リスクに晒されることになる。石油を輸入に頼る日本は、重要なシーレーンを中国圏内に治められてしまう。また、実質日本が民主主義の壁になってしまう。よって、そうした場合のリスクマネジメントに、日本は真剣に取り組んでいなければならない。

◆ 参考文献
1. http://www.geocities.jp/mstcj182/ITEM-3A44.html
2. http://tanakanews.com/e1227taiwan.htm
3. SAPIO,小学館,2004/3/24,8p ウィリー・ラム
4. 岡田充、中国と台湾:対立と共存の両岸関係、2003 講談社